からくり妙アイデア
占領米海軍の調査『 U.S.NAVAL TECHNICAL MISSION TO JAPAN 』 英語が読めなくて資料の図だけあちこち見ていました。 『 O-30 Japanese Anti-Aircraft Fire Control 』 面白そうな図を見つけましたが、説明の大半が数式です。 それほど高度な数式ではなくて、嘗て理解できた程度のものでしたが今は考える気にもなれません。 古文書を読めるようになったら数式が読めなくなった! 更に、英文は元々不得手です。それでも、何とか得体を知ってみたくなりました。 数式も英文も億劫だから考える気にならないが、モデルを作って動かしてみよう! その方が手っ取り早い。 いじって みれば何かがわかるかもしれない。 材料はボール紙と爪楊枝、道具は鋏と定規とコンパス。簡単! 出来ました。動かして眺めています。 しかし、解き明かすことは たやすくは いきません。 飛んでいる飛行機を撃ち落すために三角関数を使って未来位置を求めるアナログ計算機の 一部分に違いないのですが、どこから出力するのかわかりません。 それでも蠕動する虫のように見えて面白いです。 おことわり 歯車の呼称が未統一なので読み替え表を掲示します。
左歯車 = 駆動歯車 =「A」・・・時計回りを + 方向 右歯車 = 追従歯車 =「B」・・・野球回りを + 方向
・ 歯車間の噛み合わせが深浅変化する。対処は、おそらく片方の軸位置に遊びを設けて、その遊び軸をばねで圧した。
・ 駆動する側の回転角速度が一定のとき、追従側歯車の回転角速度が複雑な変化をして1回転周期でもどる。これが答えだ!
左歯車の回転角に対して、右歯車の回転角が特殊な関数関係になっている。それを使用する。f(x) x は何だろう?
「ボール紙と爪楊枝」のお粗末な機構にして、このデーターが採れたのは自分ながら好成果とおもいます。
手間だけでなく、軸穴が減って誤差になるので1コマ落しにしました。この模型での追跡計測は精度の面で限界でした。
しかし、偏心の度合いを大きくすれば、追従歯車の進み |± 極大値|が大きくなる、等々が解ります。
さて、この機構は、未だよくわかりませんが在来概略計算していたものを迅速・精密にするため介在させた追加部分です。 狙う眼鏡と測距儀からの追跡で目標の速度・針路・高度が計算され、その計算途中にこの左歯車を置いて、 (測距儀は光学の場合もレーダーの場合もあったでしょう) 右歯車の回転角がこの機構の結果になる訳ですが、そのアウトプットは更に歯車で取り出し次の段階の計算器に入れるか、 セルシン発振器の軸に直結して電送し、また、信管時限を算定結果にあわせて設定します。 最終には砲座の方位・高角の旋回盤でセルシンに針を合わせようとハンドル を回して連続して追いかけ(追尾という)射手が引き金を引くのを待つのです。 射手は追尾が完全と見届けて発射します。砲が複数であれば一斉射撃となります。理解できたこと
未だ数式も英文も完全に解けたわけではないのでここに載せるのは早いかとも思います。 然し私の力では完結するのはいつになるかわからない。尚早は承知ですが発表します。 早とちりや勇み足でシャッポを脱ぐのは毎度のこと。批判は覚悟!で冷めないうちに。 なお検討は継続します。その結果は逐次書き足しや修正をします。 この機構を今後『水野偏心組歯車』或いは単に『偏心歯車』と呼ぶことにしよう。 計算式中の1つの要素である倍率を手早く変えることができる。 一般に回転比を変換するには直径をその比率に合わせた歯車間でおこなうので、 回転角を一定の倍率で働かせるのであれば歯車をこんな変な使い方をする必要はない。 普通の歯車を使いばよい。 目標の高度または速度が違えば、 見越し角を計算するに、その時々によって比率が違ってくる。 比率を変えるには歯車を交換しなければならない。 いちいちそれをやっていたのでは射撃のチャンスはなくなる。あるいは、 幾つもの比率の歯車セットを備えて切り替えるとすれば複雑な機構になる。 《自動車のミッションギア!》 それに対して、連続した任意の比率に手早く設定できる。 『水野偏心組歯車』は、歯車を交換せずに簡単な操作で回転比を変更できる。 歯車の回転は限られた範囲だけに適用できるが、使用上十分な範囲である。 (適用範囲、x図で黄色く囲んだ部分で変化を直線とみなせる領域) 回転比率を変えるには、両方の歯車の中心と回転軸が揃って1直線になったときに、 (x図で青色曲線が横軸0に交差したとき) 両歯車を噛みあったまま直線上の方向に移動させる。 偏心値は2個同時に同量が変わる。(新しく変えられた偏心量は両歯車とも等しい。) そして、回転比が新たになる。黙祷
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ほか114霊
水野一郎 日本光学 海軍嘱託
昭和18年6月24日 0100 0212
潜水艦伊52は、24日午前1時に第2波攻撃を受けて大西洋に沈没(北緯15度16分、西経39度55分)
翻訳ここまで [excite]訳、然後部分修正