オカメインコの環境

オカメインコの関係、食生活、飼育管理を紹介します。

Contents

Enrichment-エンリッチメント-

"Enrichment"はフランス語の「豊かにする」という意味があり、本来の動物に備わっている本能や行動を可能な限り再現させるための工夫のことです。
オカメインコに対して、「関係」「食生活」「環境」の豊かさを、出きる限り意識して接することが大切です。
「関係」であればコミュニケーションや遊び、「食生活」であれば多種な品目と工夫、「環境」であればゲージの快適さなど、日頃からオカメインコのために心がけたいものです。

お喋りと遊び

日頃から心がけていることは、常に言葉をかけてあげることです。
一緒の時間を過ごすこと、 スキンシップ、おやつ、お喋り、おもちゃ、誉めてあげること…など、とても大切なコミュニケーション。
オカメインコの性分の臆病な性格、新しいおもちゃにはなかなか近づいてくれずに遊んでくれない現実は悲しいものです…。
それを乗り越えて、クリッカーを使った訓練もできるオカメインコ、いつか挑戦してみたいものです。

お喋り
遊びの延長としての楽しいお喋りが基本です。
オカメインコはあまりお喋りが得意ではないけれど、根気良く、期待し過ぎず、愛情を込めて話しかけ続けることが大切です。
生後4ヶ月程度から4歳位までがトレーニングの良い時期。
グゥグゥと低い声で鳴いている時、午前中、女性の声などが適し、1回3~5分程度の時間が良いと言われています。
ただ、長い時間トレーニングするのではなく、大切なのは、日々の生活の言葉に愛情が込められているかが大事なこと。
オカメインコは、普段の何気ない人の会話や音をしっかり聞いています。

問題行動としつけ

代表的な問題行動には、「呼び鳴き」「噛み癖」が上げられます。
ただ、オカメインコの行動を一方的にしつけるのではなく、まず自分を振り返って、「病気や怪我などの健康管理」「ストレスのある環境」「人の接し方」など、問題行動を起こしてしまう原因があるか考えたいものです。
問題行動に対して叱ったり怒ったりすることは、かえって逆効果になったり、問題行動を助長してしまうこともあるので、適切な対応の仕方を覚えたいものです。

呼び鳴き
対応の方法は、呼び鳴きに対して絶対に声をかけずに無視をすること。
反応してしまうと更にエスカレートしてしまいます。
静かになったら声をかけること、この繰り返しが大切です。
一時的にひどくなってしまう時は、口笛や鳥の鳴き声などのお喋りを教えて、呼び鳴きの変わりにさせる方法もあるようです。
呼び鳴きは愛情表現の一つ、本能ともいえる行動なので止めさせることは大変なことですが、生後4ヶ月頃から12ヶ月位までの間に行うことが良いと言われています。
噛み癖
噛み癖の原因には、「単なる遊び」「拒否反応」「怒りや恐怖」など様々です。
原因が人にある場合は、それを改善する必要がありますが、「噛ませない」対処も大切です。
何故噛むのか、その理由と状況を観察して、噛む行動の前に気をそらせる(お喋りなど)ようにします。
噛まれて しまった場合は、痛いけれど静かに何もせず、オカメインコの目を数秒の間、黙ってにらんで叱ります。
噛まれた時の人の声や行動が、遊んでくれていると思わせないような注意が必要です。

オカメインコの食生活

主食
総合栄養食として開発されているペレット食ではなく、スタンダードなシード食を主食としています。(何度かトライしましたが挫折しました…。)
4種配合…といっても、「ヒエ」「アワ(赤・白」「キビ」の殻付きを配合(ヒエ5:他1の割合)して与えています。
総入れ替えは月に1~2回のペースです。
副食
青菜(ビタミンやミネラル)
基本的に小松菜、時々、サラダ菜やチンゲン菜や豆苗を水洗いしてから午前中に与えます。
少ししか食べてくれないような時は、手頃な大きさにちぎった葉を口にくわえてあげると良いかも。
小松菜は、プランターの無農薬自家栽培を心がけています。

ボレー粉(カルシウムとミネラル)
白ボレー粉を綺麗に洗浄して日干し乾燥した後に電子レンジで加熱(2~3分程度)します。
専用のボレー粉入れにセットして、総入れ替えは週に1~2回のペースです。

カトルボーン(カルシウムとミネラル)
水で洗った後、上段の止まり木の近くにセットしてます。減ってきたら交換するようにしてます。

塩土(グリッドなど)
週末1日、専用の塩土入れをゲージにセットします。
塩土は、毎回、電子レンジで加熱消毒(5分程度)して、完全に冷めてから与えています。
おやつ
粟穂
週に1~2度、ゲージに三分の一位の長さにしてセットしてあげます。
1日で無残な姿に…。

果物
柑橘類、リンゴ、梨など、ごく少量をおかめの食べたい様子をみながら、時々与えてます。
大きくカットしたままだと近寄らないので(笑)、薄くスライスします。
かめこは梨が大好きです。

その他
ペレット、シード類を栄養成分でコーティングされているボール状のニュートリベリー、中型インコ用のポップコーンなど、放鳥時に与えています。
時々、大好物のピーナッツや枝豆(塩抜き)もおやつになります。
基本的に、 人間の食べ物は決して与えません。
すぐに欲しがるので、目の前では食べないようにしています。
食…ではないけれど、夏場は1日1~2回、冬場は1回交換するようにしています。
NEKTON(ネクトン)-Sを溶かしたお水です。

主食のシード、白ボレー粉、カナリヤシードと麻の実、粟穂、ニュートリベリー、ポップコーンなど、ゲージの下がオカメフードコーナーになっています。

オカメインコの飼育環境

ケージ
サイズ
40×40×50センチメートル程度の大きさで、オカメインコにとっては最低のラインかもしれません。
手乗り用のゲージで、扉が大きく開くタイプを選びました。

その他
ゲージに取りつける内装品は、怪我防止も考えて、餌に関連した物と止まり木だけで、おもちゃは付けていません。
止まり木は、市販の自然木で、止まっている時の爪の間が三分の一位の長さになるような、直径15~20センチメートルのものを上段と下段で取り付けています。
夜は、遮光カーテンで作ったカバーででゲージを覆っています。
日光浴
ウッドデッキ(以前は4東側の大きな窓越し)で、午前中に1~2時間位の日光浴をさせています。
遮光カーテンを使って、陽射しが強い時には、ゲージの中の一部に影ができるようにしています。冬季は窓越しの日光浴です。
水浴び
かめこ
以前は、年に何回か、天気の良い日の日光浴中に水入れで本当に気持ち良さそうにパチャパチャと楽しんでいました。
20歳を過ぎた頃からみなくなりました…。

きなこ
1度もしたことがなく、小さな容器に水を入れてセットしても近寄らず、霧吹きでミストシャワーをしようものならオカメパニックの状態。
水浴びを好きになる方法…ってあるのかな。
放鳥
放鳥の時間は、朝~昼で30分位、夜1時間半位…と基本的に決めていいるけれど、忙しくて時間をとれない時は、時々、まだ嫌だよ…とご機嫌斜めになってしまうから大変。
コミュニケーションは、自己紹介と歌(…といえるかどうか?)など、話し掛けたりしています。
自分からお喋りした時も必ず返事を返してあげる、 外出する時や帰宅した時の挨拶もかかしません。
勿論、朝と夜の挨拶も毎日します。(応えてくれない時もあるけれど…。)
ただ、夜に使うカバーをかけると 、時構わず「おやすみ」というようになってしまいました。
気をつけていることは、出入り口…というか、窓や扉の開閉は本当に必要でない限りしないようにしていること、それから、キッチンで火を扱っている時は決して放鳥しないこと…かな。
掃除
毎日
糞キリ網の下の新聞紙は毎日交換します。
30歳近くになったかめこは網に足をひっかけるようになってしまったので、新聞紙とキッチンペーパーを網の上にしいて、1日に1~3回、様子を見て交換しています。

週に1度
ゲージの中の糞や殻などがたまった底の引き出しを抜いてお掃除します。 糞きり 網は水洗いして糞を落とします。
掃除中のおかめは、底の無いゲージの中で、止まり木に止まって待機、または部屋を散歩してます。
水入れは、熱湯かエタノールで消毒します。

2~3ヶ月に1度
お風呂でスポンジを使って水洗いしたあとに消毒します。(熱湯・天日・エタノールなど)
掃除中のおかめはリビングで待機させています。
季節

本当に暑さが辛くなければ、お昼は窓を開けて風通しを良くしてから、直接風邪があたらないように扇風機をセット。
不在の時は、換気扇をかけるか、猛暑の時は、室温29度にセットしたエアコンに頼ってしまいます。


保温器具として、ゲージに取りつける「ひよこ電球」を取り付けているだけで、不在の時にエアコンを使うことはありません。
ただ、不在にする時は、暖房効率を考えてカバーをする工夫をしています。
オカメ
パニック
地震や突然の音や動作にびっくりして騒いでしまう行為、オカメパニック。
できるだけ驚かさないように気を使ってあげることも大切だけれど、パニックを起こしてしまった時は、とにかく、小さい声でいつものように名前を呼んであげて、落ち着くまで待ちます。
我が家は地震の多い東海地方、気を使います…。
移動

基本的には、いつものキャリーごとの移動をします。
普段つかっている夜用のカバーでゲージの上と側面三箇所を覆って、開いている側面をそれぞれ車の内側に合わせて、かめこときなこがお互いに見られ、窓の風景が見難いようにしています。
それから、前の席からもおかめが見られるように後部座席に置きます。
シートベルトでずれないようにしっかり固定して、移動中、暇があれば話し掛けてあげるようにしています。
車中の放鳥は決してしません。
ちなみに、かめこときなこは車の移動は嫌いではないらしく、笑ったり、お喋りしたりするけれど、カーブやブレーキや振動には気を使ってるつもりです。
動物病院の診察の時は、小さなケージを使っています。

公共機関
電車(在来や新幹線)での移動は、小さめのキャリーにいつもの主食をセットして専用のバック(完全にカバーできる手作り製の物)にキャリーを入れて運びます。
子供の声に反応して、時にお喋りや音痴?な歌を歌い出して止まらなくなることがあるので、カバーは暗めの色のものにして、できるだけ静かな場所を選んで移動しています。 (新幹線はドアの近くで…と座席指定までお願いしています。)
結構、怪しい姿の人間に見えるかもしれませんが、カバーの中のおかめに向かって名前をこっそり呼びかけたりしてます。

ラックの中段に、かめこときなこのゲージを置いています。
下の箱は、餌飛び散り防止用に手作りしました。

オカメインコの健康管理

日常の健康チェック

●まぶたが腫れていない?
●右と左の目の突き出しは同じ?
●羽毛の色が変化していない?
●羽毛がひどく抜けていない?
●口の周りは汚れていない?
●口臭は臭くない?
●呼吸の音に異常はない?
●粘りのある鼻水はない?
●鼻の周りや孔は綺麗?
●くしゃみばかりしていない?
お腹
●腹部は膨らんでいない?
●羽毛がひどく抜けていない?
●爪に出血斑はない?
●欠損していない?
●肛門の周りが汚れていない?
●食べているのに痩せていない?
●羽毛がケバ立っていない?
●体のどこかにコブはできていない?
行動
●ちゃんと餌を食べている?
●糞の状態は正常?
●羽毛を膨らませていない?
●翼が下がっていない?
●眠ってばかりいない?
●あくびばかりしていない?
●羽をかじって食べていない?
●夜に何もないのに暴れない?
●ちらかすように吐いていない?
かめこときなこの通っている動物病院
鳥と小動物の病院 リトル・バード

オカメインコのお迎え

準備
ペットショップや繁殖をしている個人のブリーダーからお迎えする時には、小動物用の小さなキャリーとそれをカバーするバックや布を用意することをお勧めします。
食べ物も、突然の環境の変化で受け付けなくなってしまわないよう、どのような環境と餌の与え方をしていたか、聞いておくことも大切です。
健康診断
お迎えしたら動物病院で初期健康診断をすることが勧められています。(私は無知だったのでしませんでしたが…。(汗))
オカメインコの雛はトリコモナスなどに感染していることも多いので、これからのことも考えて、近くの鳥を診察できる獣医師を見つけておきたいものです。
移動
オカメインコの雛は、環境の変化に緊張しているはず。
小さなキャリーを外が見えないようにカバーして、そっと静かに優しく扱ってあげます。
移動中の温度管理(保温)も注意します。
スキン
シップ
初日はオカメインコが気になって仕方ないものだけれど、ゲージに餌と水をセットしたら優しく名前を呼びかける程度で、余り覗きこんだり放鳥しない方が無難です。
初対面の人の目や手を恐がるオカメインコの警戒心がなくなるまで、優しく見守ります。
二日目を過ぎたら、ナデナデポーズに応えてあげる(頭や耳)、手で餌やおやつを与えてみる、足元に手(指)を差し出してオイデの呼び寄せをしてみる、徐々にスキンシップをとります。
雛の
食べ物
生後60日位が一人餌への切り替えの目安です。
生後30日位から差し餌の回数を減らして、徐々に成鳥用の餌を与えていきます。(ゲージにも成鳥用の餌を置きます。)
差し餌は、粟玉を中心に、ボレー粉、青菜、パウダーフードで、ボレー粉は洗浄して天日乾ししたものをすり鉢で粉状に、青菜は小松菜をすり鉢でするか市販の小松菜パウダーを利用します。
粟玉は煮沸させて、ボレー粉、青菜、パウダーフードを混ぜ合わせ、人肌程度(30~40℃)の暖かいうちに与えます。
器具は基本的にスプーンを使いますが、手に慣れてもらえるかな…と、清潔にした手の指先につけて与えたこともあります。
面倒でも、作りおきせずに、毎日、新鮮な餌を与えます。
粟玉の
作り方
①むき粟約500グラムをフライパンで煎ります。
②よく冷ましたむき粟を容器(ボールやトレイなど)へ移して、よく溶いた卵黄1個と混ぜ合わせます。
③風通しのよい場所で陰干しして乾燥させます。(半分程度乾いた時に固まりをほぐします。)
④冷蔵庫に密封容器で保管する。(保管期間は1~2週間程度)
ケージ
一般的には、一人餌に切り替る前後から成鳥用のゲージに移します。
生後30日前のオカメインコを飼育したことはないので、ふごを利用したことはありませんが、成鳥用のゲージへ移る前は、糞切り網を外し、二つ折りの状態で2×0.5センチ程度の大きさに切った新聞紙を敷き、止まり木も低い位置に1本セットした小さなゲージを使います。

20×30×30センチ程度の小さなゲージです。
動物病院の診察へ行く時に使っています。
雛用のゲージにも使えるかな。

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